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うだ もとこ uda-motoko 洋画


「Lost in Progress」

NO.1
「Lost in Progress」


答えのない問いかけ

NO.2
答えのない問いかけ
(No answers, only questions)


 
サイゴンに住み始めて・・・5年目の月日が過ぎる。
この数年、街の姿が日々刻々と変化していく。
ベトナムは過去にいろいろな文化の影響を受けており、歴史と共にあった建物等が今、次々と取り壊され、雨後の筍のごとく無機質な建物が増えていく。
急激な経済の成長をみせるベトナムの中で、こと、サイゴンの変化には目を見張るものがある。

まさかと思っていた我が家にも近代化の波がおし寄せてきた。
豊かな実りをつける果樹がある中庭つきマイホームも取り壊すとの通告。
昨今の土地価値高騰に伴って、この家も9階建てのアパートに建て替えるとの事。庭先の、時に畏敬の念さえ抱かせた樹齢100余年のブーゲンビリアの大木も切り倒される。

確実に国が豊かになり始め、それに伴い開発の波が訪れるのはしごく当然の流れであろう。
実際、エアコンの効いたピカピカのビルに一歩踏み入れると、焼き付けるような太陽からホッと一息つく近代化の恩恵に甘んずる自分もいるのだ。

やがて、この国も近代化開発という津波にのみこまれてしまうのか・・・

今回の私の作品群は「Lost in Progress」と題して近代化、発展の過程で失われていくもの、迷子になってしまった感情などへの思いを表現した。

October 2004

 


 

  うだ もとこ (宇田 資子)

   
1976年6月28日生
東京女学館卒。米国カリフォルニア州オークランド・ミルズ大学でBFA取得。
2000年ベトナム・ホーチミン市に移り住み、自らの制作と平行して
アートギャラリー「MOKO」をオープン。
ベトナム、フランス、オーストラリア人のアーティストを中心に15の展覧会を企画・開催。
国内外で活躍するベトナム人アーティストの集いの場ともなり、テレビ・新聞でもたびたび取り上げられる。
日本では2002年7月にNHK衛星第2「新・真夜中の王国」でベトナムでの制作活動・アーティスト達との交流が紹介される。

現在はギャラリーをクローズし、自分の制作活動中心に切り替えている。
2004年7月ベトナム・ホーチミン市で初個展、テレビ・新聞の報道により多くの反響を得る。
2004年・日本での初個展を10月8日〜12日迄、東京・銀座の[GINZA TANAKA HALL]にて開催。

*パプリック・コレクションとして、カリフォルニア州ナパにある[The Di Rosa Collection]にソフトカルプチャーの作品が収蔵される。


 




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