【作家コメント】
私の今回の個展のテーマは、「Textures」(テクスチュアズ)である。
これは現代日本を代表する作曲家の故武満徹の初期の傑作曲
「テクスチュアズ」(1964年)に由来している。武満は、オーケストラの
個々の楽器の音色を織物のひと目のように重要視して音を選び取り、組み立て
て、音の色彩の多様な交錯と動きを織り出し、新しい音響の領域を構築しよう
とした。私はこの曲を聴いて、その響きの新しさと深淵に心を打たれた。
武満がこの曲を書いたのと同じ35歳である美術家・版画家である私は、様々
な美術の技法(銅版画、アクリルグワッシュ、油彩画、水彩画)を使った各作
品を今回、一堂に展示することによって、私の新たな美術表現の領域に
踏み込みたい。
様々な技法による個々の作品は、互いに響き合ったり、対比されることで
交錯し、一つの大きな新しい表現領域を織りなし、紡ぎ出すだろう。
・技法: 銅版画、油彩、アクリルグワッシュ、水彩、モノタイプ 等
・点数: 約20 点(大作および小品)
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